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COLUMN コラム

Soraie一級建築士コラム

04
Soraieの高性能住宅

UA値・C値とは?断熱・気密の違いと冷暖房の考え方

2024.03.28

少ないエネルギーで温度差の少ない暮らしを。Ua値とC値は何のため?

Soraie一級建築士コラム|Vol.4
少ないエネルギーで温度差の少ない暮らしを①
UA値とC値は何のため?

こんにちは。空間デザイン住宅Soraieの一級建築士、小野です。

家づくりのお話をしていると、

「UA値はいくつですか?」

「C値はどのくらいですか?」

と、ご質問をいただくことがあります。

高気密・高断熱への関心が高まり、こうした言葉を知っている方も増えたと感じます。

ただ、数字をお伝えした後に、

「なるほど。その数値が良いと、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか?」

というところまで、分かりやすくお話しできているでしょうか。

私は、そこが大切だと思っています。

UA値とC値は、住宅会社を比較するためだけの数字ではありません。

その家を暖めたり冷やしたりする負担を考え、間取りや設備の計画につなげるための、大切な判断材料です。

今回は、この2つの数値の違いと、家づくりでの生かし方についてお話しします。

UA値とC値は、それぞれ何を表しているのでしょうか

まず、2つの違いを整理します。

項目 UA値 C値
主に表すもの 建物の外皮を通る熱の逃げやすさ 建物の隙間の少なさ
関係する性能 断熱性能 気密性能
確認の方法 図面や材料・窓の仕様などから計算する 実際の建物で気密測定を行う
数値の見方 小さいほど、外皮を通して熱が逃げにくい 小さいほど、床面積あたりの隙間が少ない

UA値は「外皮平均熱貫流率」といいます。

屋根や天井、壁、窓、床など、室内と外部を隔てる部分を「外皮」と呼びます。UA値は、そこを通る熱の逃げやすさを、外皮の面積あたりに平均した数値です。単位はW/(㎡・K)です。

一方、C値は「相当隙間面積」です。

床面積1㎡あたりに、どれくらいの隙間があるかを示す数値で、単位は㎠/㎡です。図面上の仕様だけで確定するものではなく、実際の建物を測定して確認します。

同じ断熱材や窓を採用していても、実際の気密性能まで同じになるとは限りません。

ですから、住宅会社の説明を聞くときには、数値の大小だけでなく、「何を計算した数字か」「どの建物を、いつ測った数字か」も確認していただきたいと思います。

数字の説明を、車の燃費のように暮らしへ結びつけたい

例えば、車を選ぶとき。

「この車は燃費が良いです」

と聞くだけでなく、

「自分は車での移動が多いから、少し価格が高くても、燃料の負担が少ない方がよいかもしれない」

と、使い方や費用を思い浮かべて考えると思います。

住宅性能も、そのように暮らしと結びつけて説明できればよいのに、と私は思っています。

もちろん、UA値やC値は、そのまま車の燃費に相当する数値ではありません。これだけで毎月の電気代が分かるわけでもありません。

それでも、

「この性能にすると、何が変わるのか」

「自分たちの暮らしには、どんな意味があるのか」

を考える材料にはなります。

小数点以下の数字を伝えて、

「すごいですね」

で終わらせるのではなく、その数字を、住まいの計画に使っていきたいのです。

UA値とC値だけで、必要な冷暖房は決まりません

断熱・気密は大切ですが、必要な冷暖房を考えるには、ほかの条件も必要です。

例えば、同じUA値でも、建物の大きさや形が違えば、外部と接する面積も変わります。

また、外が何℃のときに、室内を何℃に保ちたいかによっても、必要な暖房の大きさは変わります。

UA値には、換気や隙間から出入りする空気による熱の移動は含まれていないため、これらも別に考える必要があります。

さらに、夏には窓から入る日射の影響もあります。

つまり、必要なのは、

建物の性能と大きさ、地域の気候、窓の条件、換気、そして暮らし方を組み合わせて考えること。

です。

こうして見積もる、暖めたり冷やしたりするために必要な熱の量を、専門的には「暖冷房負荷」と呼びます。

エアコンも、部屋の広さだけではなく、この負荷に合った能力を選ぶことが大切です。

「UA値がこの数字だから、このエアコンで大丈夫です」と、数値一つで決める話ではないのです。

Soraie浦安コンセプトハウス 販売会 × 見学会 開催中

コンセプトハウスでも、性能と暖めたい範囲を一緒に考えました

岡山市浦安本町のコンセプトハウスを例にしたときも、単にLDKの広さだけでエアコンを考えたわけではありません。

当時の記事で紹介したのは、建物のUA値が0.41、1階の床面積が69.56㎡という住宅です。これは、その住宅の個別の条件であり、すべてのSoraieの住宅に共通する数値ではありません。

そこで考えたのは、

「LDKだけでなく、廊下や洗面・脱衣室を含めて、どこまで暖かく過ごしたいか」

ということでした。

同じ1階でも、リビングだけを暖めたいのか、ほかの場所も含めて温度差を小さくしたいのかで、検討する範囲が変わります。

そのうえで、建物から逃げる熱や換気、外気温などの条件を整理し、必要な暖房能力を考えます。

「何畳の部屋にエアコンを付けるか」だけではなく、「どの空間で、どのように過ごしたいか」から考える。

性能の数字は、そのために使いたいと思っています。

エアコンの「何畳用」と「暖房能力」は、分けて見ます

エアコンを選ぶときには、「12畳用」「18畳用」といった表示が目に入ります。

もちろん、選ぶときの目安になります。

ただし、住宅の構造や断熱、日当たりなどによって必要な能力は異なるため、畳数だけで判断するのではなく、建物の条件に合わせて検討する必要があります。

ここで、もう一つ分けておきたいのが、暖房能力と消費電力です。

例えば、カタログに「暖房能力4.2kW」とあっても、電気を常に4.2kW使うという意味ではありません。

暖房として供給できる熱の能力と、そのために使う電力は別の項目です。

また、外気温が低いときの暖房能力も確認したいところです。カタログの定格値だけでなく、寒い日の使い方まで考えて機器を選びます。

ですから、

「表示が12畳用だから、それより広い空間には使えない」

とも、

「高断熱だから、小さなエアコン1台で必ず家じゅう快適になる」

とも、条件を確認せずには言えません。

大きすぎる設備を何となく選ぶのでも、小さな設備で済むことを競うのでもなく、その家に合った設備を選ぶ。

そこに、計算や設計の意味があると思っています。

岡山市南区浦安本町モデルハウスリビング

性能をどこまで高めるかも、暮らしと予算から考えます

私は、断熱や気密を大切にすることと、予算のバランスを考えることは、対立する話ではないと思っています。

ただし、

「日中は留守だから、断熱はあまり考えなくてもよい」

というように、今の生活時間だけで決めてしまうことも勧めません。

長く暮らす間には、在宅時間や家族構成が変わることもあるからです。

後から変更しにくい建物の部分を、最初にどう整えておくか。

設備の能力や台数を、どう考えるか。

どのくらいの範囲で、どのような快適さを求めるか。

そのうえで、無理のない予算の中で、納得できる組み合わせを見つけたいと思っています。

性能を高めること自体が目的ではなく、その性能で、どのような暮らしを実現したいのか。

そこまで話し合うことが大切です。

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住宅会社に聞いてみてほしい3つのこと

高気密・高断熱の家を検討するときには、数値とあわせて、次のことも聞いてみてください。

  1. そのUA値は、私たちの間取りや窓の仕様で計算した数値ですか?
  2. C値は目標値ですか、実測値ですか? 測定はどの段階で行いますか?
  3. この家で必要な冷暖房は、どのような条件で考えていますか?

難しい計算を、ご自身ですべて行う必要はありません。

「どこを暖めたいのか」

「朝は何時に起きるのか」

「寝室のドアは閉めて使いたいのか」

そんな暮らしの話をしながら、設計者の説明を聞いていただければよいと思います。

数値の良さだけでなく、その数字をどう家づくりに生かしているか。

そこを聞くと、住宅会社の考え方も見えてくると思います。

性能の数字から、実際の快適さへ

UA値とC値は、どちらも大切な判断材料です。

ただ、家じゅうの快適さを考えるには、その先にもう一つ課題があります。

必要な暖かさ・涼しさを、それぞれの場所へどう届けるか。

ということです。

建物の冷暖房の負担を小さくすることと、必要な場所に冷暖房を届けること。この全体像は、別のコラムでまとめています。

家じゅうを快適にする2つの考え方を読む

今回お伝えしたかったのは、

性能値は、比較して終わる数字ではなく、暮らしと設備の計画に使う数字だということです。

Soraieは、営業を置かず、建築士がお客様のご要望を直接伺いながら家づくりを進めています。

「数値はいくつですか?」というお話から、

「その性能で、どのような暮らしをつくりましょうか?」

というお話へ。

家をつくる人として、そこまで一緒に考えていきたいと思っています。

Soraieの施工実例を見る

空間デザイン住宅Soraie
一級建築士 小野 貴士

一級建築士・小野貴士について

一級建築士コラムを読む

参考情報

国土交通省|断熱性能・UA値の見方

環境共生まちづくり協会|高断熱住宅の設計ガイド〔国土交通省編集協力・PDF〕

日本冷凍空調工業会|部屋に見合った能力のエアコンを選ぶ


岡山で、住宅性能と冷暖房について建築士と話してみませんか

「UA値やC値を聞いても、どこまで性能を求めればよいか分からない」

「家じゅうを快適にしたいけれど、設備や電気代も気になる」

「性能だけでなく、間取りやデザインも大切にしたい」

そんなところから、ご相談ください。

Soraieでは、一級建築士が暮らし方やご予算を伺いながら、建物の性能と間取り、設備の組み合わせを一緒に考えています。

売る人ではなく、家をつくる人と話す。

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