COLUMN コラム
Soraie一級建築士コラム

小野 貴士
一級建築士
注文住宅のこだわりはどう決める?後悔を減らす5つの視点
2023.10.12
Soraie一級建築士コラム|Vol.3
Soraieの目指す家づくり「360°こだわろう!」
こんにちは。空間デザイン住宅Soraieの一級建築士、小野です。
注文住宅を考え始めると、気になることがたくさん出てきます。
「せっかく建てるなら、好きなデザインにしたい」
「冬は暖かく、夏も快適に暮らしたい」
「家事がしやすく、収納にも困らない家にしたい」
そして、どれも大切だけれど、予算にも限りがあります。
何を優先すればよいのか。どこまでこだわればよいのか。
私は、一つの良さだけで家づくりを決めるのではなく、暮らし全体を見ながら、それぞれに納得できる答えを見つけることが大切だと思っています。
Soraieが掲げているのは、性能・使いやすさ・デザイン・安心・価格という5つのこだわりです。
今回は、この5つを大切にする理由と、こだわりの優先順位についてお話しします。

目次
「360°こだわる」は、すべてを最高級にすることではありません
Soraieでは、「家づくりは360°こだわろう!」とお伝えしています。
ただし、何もかも最高級の材料にしたり、設備をたくさん付けたりする家づくりを目指しているわけではありません。
私が考えているのは、もっと身近なことです。
もし自分が明日家を建てるなら、何を大切にするだろう。
きっと、見た目は好きだけれど寒い家にはしたくありません。
性能は良くても、毎日の家事がしにくい家は困ります。
そして、気に入った家ができても、支払いが暮らしを圧迫してしまうのは避けたいと思います。
だから、どれか一つだけではなく、全体を見たいのです。
性能、使いやすさ、デザイン、安心、価格。
それぞれに納得できる水準を考え、限られた予算の中で、どう組み合わせるか。
「360°こだわる」という言葉には、そんな考えを込めています。

性能|数値だけでなく、毎日の快適さまで考える
冬の朝、布団から出たとき。
夏に外から帰ってきたとき。
お風呂に入るために、リビングから脱衣室へ移動するとき。
家の性能は、こうした日々の暮らしに関わります。
断熱性能を高めることは、屋内外の熱の出入りを抑え、冷暖房の負担を減らすことにつながります。そのうえで、日差しの取り入れ方や遮り方、設備の使い方も組み合わせて考えることが大切です。
Soraieでも、高気密・高断熱を家づくりの大切な土台にしています。
ただ、断熱や気密の数値をお伝えして終わりではありません。
どの部屋で、どの時間帯に過ごすのか。
引戸を開けて過ごすのか、寝室は閉めて使いたいのか。
そんな暮らし方まで含めて、間取りや空調を考えていきます。
性能は、数字を競うためだけのものではなく、快適な暮らしを支えるためのもの。
その性能が、実際の住まいでどう役立つのかまで、一緒に考えたいと思っています。

使いやすさ|間取りだけでなく、日々の動きまで考える
間取り図を見ていると、部屋の広さや収納の数に目が向きやすいと思います。
もちろん、それらも大切です。
ただ、使いやすさは、広さや数だけでは決まりません。
例えば、洗濯物をどこで洗い、どこに干して、どこへしまうのか。
帰宅して、かばんを置き、手を洗い、着替えるまでに、どう動くのか。
毎日の動きを思い浮かべると、部屋同士のつながり方が見えてきます。
Soraieでは、なるべく家事動線や帰宅動線に行き止まりをつくらず、引戸を開けることで空間をつなげる「ワンフロアに使う家づくり」を大切にしています。
ただし、引戸を開けて使うことだけが正解ではありません。音や視線を気にせず、閉めて過ごしたい場所もあります。
ご家族に合った使い方を考えることが先で、そのために間取りや建具を選びます。
また、暮らしやすさには、もっと小さな部分も関わります。
コンセントは、使いたい場所にあるか。
照明のスイッチは、自然に手が届く位置か。
収納の棚は、しまいたい物に合った高さや奥行きか。
Soraieでは、こうした内容を打ち合わせの項目として分け、建築士やインテリアコーディネーターと一緒に確認していきます。
大きな間取りを決めて終わりではなく、住み始めてからの小さな動作まで考える。
打ち合わせを重ねる意味は、ここにあると思っています。

デザイン|好きな空間と、使いやすさを一緒につくる
「こんな雰囲気の家に住みたい」
施工写真を見て、そう感じることは、家づくりの大切なきっかけです。
私は、性能や使いやすさのために、好きなデザインを諦めなければならないとは思っていません。
ただ、写真と同じ材料を使えば、同じように心地よい空間になるとも限りません。
窓から入る光、家具の大きさ、通路の幅、収納する物。
そのご家族の暮らしと組み合わせて、空間を考える必要があります。
Soraieは設計事務所であり、工務店でもあります。
建築士が直接ご要望を伺い、パースや写真でイメージを確かめながら、現場でのつくり方まで検討します。
例えば、洗面スペースを考えるときも、すべてを特注にする方法だけではありません。
既製品を使いながら、鏡や棚、カウンター、壁の仕上げを組み合わせて、好みの雰囲気に近づける方法もあります。
大工さんと相談できる工務店の良さを生かしながら、見た目と使いやすさ、費用のバランスを考えます。
こだわりを諦める前に、実現する方法を考える。
これも、建築士と一緒につくる注文住宅の良さだと思います。

安心|図面・現場・住んでからの確認を重ねる
完成した家を見ると、内装や設備には目が向きます。
一方で、壁や床の中など、完成後には見えなくなる部分もあります。
だからこそ、家づくりでは、計画と施工の両方を確認することが大切だと考えています。
Soraieでは、耐震等級3を設計の条件とし、長期優良住宅の認定に取り組んでいます。また、工事中は自社の現場監督が8工程で監査し、チェックと写真による記録を行っています。
きちんと計画する。図面を確認する。施工し、その状態を確認する。
確認の中で改善すべきことが見つかれば、設計と現場で共有し、次の家づくりにも生かしていく。
職人さんの技術を大切にしながら、確認の仕組みでも品質を支えたいと思っています。
そして、安心は、引き渡しのときだけの話ではありません。
長期優良住宅の制度でも、認定された維持保全計画に沿った点検・補修などと、その記録が求められています。認定を受けたら、その後の手入れが不要になるわけではありません。
材料や設備を選ぶ際にも、長持ちしやすさだけでなく、点検や手入れ、将来の交換について考えておきたいところです。
建てるときに確認し、住み始めてからも大切に使っていく。
そこまで含めて、安心できる家づくりを考えています。

価格|建てる費用と、住み続ける負担の両方を見る
性能もデザインも大切ですが、予算の話を最後まで後回しにするわけにはいきません。
家が完成した後も、ご家族の暮らしは続くからです。
家づくりの費用を考えるときには、建物本体の価格だけでなく、必要に応じた土地の取得費、付帯工事、外構、諸費用なども含めて整理したいと思います。
見積もりを比較するときにも、金額だけでなく、何が含まれ、何が別途必要なのかをそろえて確認することが大切です。
さらに、住み始めてからは、住宅ローンの返済以外にも、光熱費や維持管理の費用がかかります。
「いくら借りられるか」だけでなく、家計や将来の予定を踏まえて、どのくらいの負担なら続けられるかを考える。資金計画では、この視点も持っておきたいと思います。
Soraieが目指しているのは、価格を下げるために大切な性能を削ることでも、性能が良ければいくら高くてもよいという家づくりでもありません。
材料や工法を検討し、造作と既製品も使い分けながら、必要なところに予算をかける。
「この内容で、この価格なら、自分でも建てたい」と思える家を考える。
元の記事にも書いた、私たちの家づくりの基準です。

こだわりの優先順位は、「今の暮らし」から考える
ここまで読むと、
「5つとも大切なのは分かるけれど、どこから考えればよいのでしょうか」
と思われるかもしれません。
私は、設備の名前や間取りを先に決めるより、今の暮らしから考えることを勧めます。
例えば、次のように整理してみてください。
| 考えること | 具体例 |
|---|---|
| 今の住まいで困っていること | 冬の脱衣室が寒い。洗濯物をしまうまでの移動が多い。収納が使いにくい。 |
| 新しい家で大切にしたい暮らし | 家族で食事をする時間を楽しみたい。帰宅後の片付けを楽にしたい。好きな空間でくつろぎたい。 |
| 無理なく続けたい予算 | 毎月の支払いだけでなく、教育費や将来の生活費も考えておきたい。 |
そのうえで、ご家族それぞれが「特に大切にしたいこと」を挙げてみる。
同じ家族でも、大切にしたいことが違うかもしれません。
その違いも含めて、建築士に伝えていただければよいと思います。
例えば、「大きな収納が欲しい」というご要望も、詳しくお話を伺うと、必要なのは収納の広さより、使う場所の近くにしまえることかもしれません。
希望を一つずつ足していくだけでなく、その希望の奥にある暮らし方を考える。
そうすると、予算の使い方にも、別の選択肢が見えてくると思います。

営業を置かず、家をつくる人と一緒に考える
Soraieは、営業を置かない家づくりを行っています。
建築士がお客様のご要望を直接伺い、設計や施工のことも含めて、一緒に考えていきます。営業にかかるコストを抑え、住まいの性能と価格のバランスを整えることも大切にしています。
ただ、営業を置かないこと自体が目的ではありません。
ご家族が大切にしたいことを、家をつくる人が直接受け取り、図面や材料の選び方に反映していく。
そこに意味があると考えています。
性能、使いやすさ、デザイン、安心、価格は、それぞれ別々の話に見えるかもしれません。
でも、実際の家では、すべてがつながっています。
窓の選び方は、見た目と暑さ・寒さに関わります。
収納の位置は、動線と空間の見え方に関わります。
材料の選び方は、建てる費用と、住んでからの手入れにも関わります。
だから、一つの良さだけで決めず、家全体として考えていきたいのです。
自分が明日家を建てるなら、どんな暮らしをしたいか。どんな内容と価格なら、納得できるか。
私たちも、その視点を忘れずに家づくりを続けていきたいと思っています。
空間デザイン住宅Soraie
一級建築士 小野 貴士
参考情報
岡山で、こだわりと予算を建築士に相談してみませんか
「やりたいことが多く、優先順位を決められない」
「性能もデザインも大切にしたいけれど、予算が心配」
「自分たちに合う間取りを、一緒に考えてほしい」
そんなところから、ご相談ください。
間取りや設備が、最初から決まっている必要はありません。
Soraieでは、一級建築士が暮らし方やご予算を伺いながら、ご家族が大切にしたいことを整理し、住まいの計画へつなげていきます。
売る人ではなく、家をつくる人と話す。
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