家を建てるとき、間取りや建物の構造だけでなく、土地柄や周辺環境を気にする方も多いのではないでしょうか。地域によって環境が異なるため、気になることや不安なことは次々とでてくるでしょう。
岡山県は住みやすい地域として注目されていますが、土地柄や土地相場などを深く理解しておくと、不安が軽減されるはずです。また、利便性や快適さを知ることで、どんな生活が送れるのかイメージが湧きやすくなるでしょう。
本記事では、岡山県の魅力やエリア別の特色、坪単価などの住宅建築にかかる費用について詳しく紹介します。
岡山県の特徴
岡山県は日本の中国地方に位置し、東は兵庫県、西は広島県が隣接している県です。その昔、吉備と呼ばれた岡山には、鬼退治の伝説が残されており、日本で有名な昔話、桃太郎の原型になったとされています。
現在は15の市と10の町、2の村によって構成されており「晴れの国おかやま」という愛称で親しまれています。晴れの国といわれる所以や岡山県の魅力を詳しく紹介します。
地形と気候
岡山県のキャッチフレーズでもある「晴れの国おかやま」は、快晴日数の多さや降水量1ミリ未満の日数が全国最多であることが所以です。その名のとおり、晴れの日が多く、気候が温暖で過ごしやすい地域が多いのが特徴です。
しかし、北から南に階段状に低くなっている地形のため、北部と南部では気候に違いがあります。北部の中国山地沿いは日本海側気候に属していることもあり、冬は1メートルを超える積雪となることもあるため、豪雪地帯に指定されています。
人口と主要都市部
県の人口は約187万人ですが、県庁所在地をおく岡山市北区、南部に位置する倉敷市に県の人口の約64%が集中しています。人口は中国地方と四国地方のなかで、広島市に次いで増加していましたが、近年は緩やかに減少している傾向があります。
また、岡山市北区、倉敷市には観光スポットが多く、周辺エリアは多くの観光客が足を運んでいます。市街地から少し離れると、豊かな自然が広がっているため、どの世代の人も安心して快適に暮らせる環境が整っています。
有名観光地
観光地として、白壁の町並みが楽しめる倉敷美観地区、日本三名園の一つ岡山後楽園などが有名です。そのほかにも、日本100名城として選定されている岡山城や鬼ノ城は、観光の定番スポットで、観光のモデルコースによく紹介されています。
最近では、天然記念物に指定されている満奇洞、高梁川上流に広がる井倉洞などの鍾乳洞がパワースポットとして人気です。
特産品
岡山県の特産品には、日本昔話桃太郎でおなじみの吉備団子があり、定番の手土産として人気です。ニシン科の小魚、別名ままかりで知られる魚を、塩焼きや酢漬け寿司にして楽しむ、ままかり料理は岡山県の郷土料理として有名です。
また清水白桃、マスカット・オブ・アレキサンドリア、ピオーネは、生産量・品質ともに日本一を誇り、国内産のマスカットの約9割は岡山県で生産されています。
岡山県の住みやすいポイント
家を建てる場所を検討する際、住みやすい街に建てたいと考える人は多いはずです。岡山県は、移住したい都道府県ランキングで常に上位を占めています。選ばれるのは温暖な気候で、自然が多いからだけではありません。
住みやすいといわれる岡山県の魅力を紹介します。
交通の便がよい
岡山市内を通る鉄道でメインの岡山駅は、交通の便に優れています。山陽新幹線をはじめとして、複数の路線が発着するターミナルで、大阪駅までは新幹線で約1時間、博多へも2時間以内で到着できます。
また、山陽自動車や中国自動車道など、主要な高速道路が県内をとおっていることもあり、普段自家用車で移動することが多い人にとっても住みやすいでしょう。
災害が少ない
地震大国とも呼ばれる日本のなかでも、岡山県は地震の少ない地域とされています。また、山地に囲まれていることもあり、年間をとおして台風が来ることがとても少なく、来たとしてもすでに勢力が落ちていることがほとんどです。
そのほか、県内に火山がないことや瀬戸内海を挟んで四国があるため、太平洋上で津波が発生しても影響を受けにくいといわれています。
治安がよい
岡山県の刑法犯の認知件数は、ピークだった平成14年には45,386件ありました。その後、犯罪を抑止するために、防犯ボランティアや自治体との連携を強化し、地域の見回り活動に力を入れるなど対策を進められ、令和3年まで19年連続で刑法犯の認知件数が減少しています。
令和4年は8007件とピークだった平成14年を比べて、5分の1以下に減少しています。このように、県全体で防犯の取り組みがされているのは住みやすさのポイントです。
岡山県の人気エリア
岡山県の住みやすさについて紹介しましたが、エリアによってさまざまな特色があります。自然が多い地域で暮らしたい、子育てしやすい街に住みたいなど、自分の理想に合った地域を選ぶことは、長く暮らしていくうえで非常に大切です。
それでは、県内で人気のあるエリアの特徴や魅力を詳しくみていきましょう。
岡山の中心都市:岡山市北区
岡山県の中心都市である岡山市には4つの区があり、もっとも面積が広く人口が多いのが北区です。大学や教育機関が充実しており、子育てや通学のしやすさから小さな子どもがいる家庭に人気が高い傾向があります。
また現在、西部では新駅の開業や都市基盤整備が進められており、今後さらに住みやすい環境になることが期待できます。
さらに岡山県を象徴する後楽園や、歴史ある吉備津神社などの観光スポットが多い地域のため、交通の便が優れているのが特徴です。区内全体で活性化を目指しているため、イベントも数多く開催されており、商店街に賑わいがあることも魅力といえるでしょう。
中国地方有数の穀倉地帯:岡山市南区
岡山市南区は、中国地方有数の穀倉地帯として有名な地域です。そのため、市場で新鮮な食材が手に入りやすいという魅力があります。また、バスや在来線が整っているため、市街地への通勤通学がしやすいのも特徴です。
そのほかにも、プールや大浴場などの施設が整備され、広い敷地を持つ灘崎町総合公園や、苺やぶどうなど季節のフルーツ収穫体験ができる白い塔が目印の岡山市サウスヴィレッジのように、家族で楽しめる場所が多いのも人気のひとつです。
自然と史跡の街:岡山市中区
岡山市中区は龍ノ口山や操山、百間川などの自然や、百間川遺跡・操山古墳群などの史跡が多く残っている地域です。また、南部の岡山港から小豆島へのフェリーが発着しているなど、街のなかに自然が多いのが特徴です。
倉敷市や北区に比べると観光スポットが少なく、スーパーやレストランなど生活に必要な施設が充実しているため、静かに暮らしたい人から人気があります。さらに車で約10分のところに岡山市街地があるなど、利便性の高さも魅力的です。
利便性の高い交通アクセス:倉敷市
岡山県の南部に位置する倉敷市は、県内でも有数の観光地として知られています。伝統的な街並みが残っており、景色を楽しめるスポットが多いことや、商業施設・レジャー施設が充実している特徴があります。
交通アクセスもよく、倉敷市の中心にある倉敷駅から岡山駅まで、在来線なら17分程度で移動できます。岡山空港から倉敷駅までリムジンバスが運行していたり、東海道新幹線や山陽新幹線が乗り入れられたりしていることから、遠方への利便性も高いです。
また、一部地区を除いて、指定のごみ袋が不要なことや中学生までの通院・入院の医療費が無料など、子育て世帯にとってうれしい制度が充実しているため、ファミリー層に人気があります。
子育てに力を入れている:総社市
岡山県の中南部に位置する総社市は「子育て王国そうじゃ」をキーワードに、エリア全体で子育て支援の取り組みに力を入れている地域です。安心して子育てができる環境作りが進められており、基金で予防接種の助成事業などを行っています。
そのため、子どもと暮らす家族だけでなく、これから子育てする家族にも人気があります。また、鬼ノ城や宝福寺などの歴史的な建造物も点在し、観光スポットになっているため、路線バスや在来線が整っており、利便性がよい特徴もあります。
岡山県の坪単価平均とシミュレーション
家を建てることを検討した際、その土地の相場価格を知る必要があります。土地の相場価格情報を探すと、坪単価という用語を目にする機会も多いでしょう。
坪単価とは、建物の本体価格を延床面積で割った数値で、2階建てや3階建ての場合はすべてのフロアの床面積も含んで計算される建築費のことです。
しかし、坪単価の計算方法には、厳密なルールがありません。そのため、計算時には延床面積でなく施工床面積を用いるメーカーもあるため、あくまでも参考程度で捉えておくことが大切です。
では、岡山県の坪単価を知り、シミュレーションしてみましょう。
岡山県の土地相場
岡山県の土地価格相場は、3.3平米=1坪として計算し平均すると坪単価217,392円/坪です。
エリア別にみると、中心都市である岡山市全体では353,259円/坪ですが、4つの区にわけて比べると一番人口の多い岡山市北区は平均554,355円/坪、穀倉地帯として有名な岡山市南区は平均177,427円/坪と幅があります。
そのほかの人気エリアでは、倉敷市180,185円/坪、総社市120,863円/坪が平均の坪単価となっています。
岡山県の住宅購入相場
注文住宅を建てる際に、土地も一緒に購入すると当然ですが、住宅のみの購入に比べ費用が掛かります。実際に岡山県で注文住宅を建てた方の費用相場を比べ、計画の参考にしましょう。
注文住宅と土地を購入する場合
岡山県は、建物3,139万円、土地1,024万円、合計4,163万円が相場です。全国の平均は、建物2,961万円、土地1,436万円、合計4,397万円が相場であるため、比較すると土地代を安く抑えられている分、住宅に費用をかけている人が多いようです。
注文住宅のみ購入の場合
土地を所有している、土地費用の借入がない場合の住宅費用は3,755万円が相場です。全国平均は3,533万円が相場であるため、土地の取得が無い場合でも、住宅に費用をかける傾向にあると考えられます。
住宅と土地以外の費用
注文住宅を建てる際には、土地代や建物自体の建設費用に加えて、付帯工事費用と諸経費がかかります。付帯工事費用や諸経費には何が含まれるのか、そのほか注意しておくべき費用についても具体的に説明します。
付帯工事費用
付帯工事費用は建物以外にかかる費用であり、地盤調査・改良工事費用、外構工事、給排水工事、解体工事費、ガス工事などが含まれます。
また、空調設備取り付けやカーテン・照明器具の工事、TVアンテナ・通信回線の工事が電気工事費用に含まれていない場合は、さらに加算されます。費用は住宅建築費の1.5~2割程度が一般的とされています。
諸経費
諸経費とは、工事以外にかかる費用のことで、印紙税・登記費用・不動産取得税・住宅ローン関連費用(火災・地震保険料や抵当権設定登記の登録免許税など)・不動産取得税・水道加入料が含まれます。
また、土地も購入する場合は別途、仲介手数料・印紙代・登録免許税・司法書士報酬などが加算されます。費用は住宅建築費の1割程度が一般的で、付帯工事費用と合わせて3割と考えると、建築費用が1,500万の場合、約643万円となるため、合計2,143万円が費用相場となります。
その他費用
注文住宅を建てるときにかかる費用ではありませんが、引っ越し費用、引っ越し挨拶費用、家具・家電費用もかかるので頭に入れておかなければなりません。
特に引っ越し費用は繁忙期になると費用が大きく変わってきます。その点も踏まえて見積もりや引っ越し日を考えるとよいでしょう。
新築時に使える補助金・助成金の活用がおすすめ
家を建てるとなると、なにかとお金が必要になりますが、条件を満たせば国や自治体から新築建築時に補助金や助成金がもらえます。また、定められた条件を満たして家を建てたり、住宅ローンを組んだりすると、課税額や税金が減る減額制度もあります。
補助金や助成金には締め切りもあるため、早めに動き出し賢く活用しましょう。
まとめ
岡山県は中国地方のなかでも中心的な役割を担っている県で、市街地は利便性がよく日常生活の移動に不自由しません。また自然も豊かで、穏やかな気候にも恵まれているため過ごしやすく、注文住宅を検討している方には特におすすめの土地です。
空間デザイン住宅ソライエは、岡山・倉敷を中心に“ワンランク上の高性能”の家づくりに取り組み続けています。一生に一度の大きな買い物である家づくりだからこそ、高性能と自由発想の空間デザインが一対となった家づくりを提案しています。
高性能住宅を体感していただくために、見学会や相談会イベントも行っています。岡山県で注文住宅を検討している方は、お気軽に空間デザイン住宅ソライエにご相談ください。