高性能住宅の特徴は、静かな空間での生活が実現できる防音性、そして一年中快適に過ごしやすい断熱性に優れていることです。断熱性を上げるには、家の隙間を極力なくし、気密性を高めることも必要な条件となります。
快適で安全性に優れた理想の家づくりのためには、信頼できる住宅メーカー選びが重要になってくるでしょう。一生に一度の大きな買い物である家づくりに必要な、知っておきたいポイントをご紹介します。
高性能住宅の防音効果が高い理由
高性能住宅は、気密性と断熱性が高い仕様になっているため、防音効果が高い特長を持ちます。
騒音は、窓ガラスやサッシなど開口部から侵入してくる音と、建物から伝わってくる音があります。開口部における空気の出入りを少なくし、隙間をなくすことで気密性が高められるため、防音対策に効果的なのです。
また、断熱性を高くするためには、高機能の断熱材を使用することが必要です。種類もさまざまで、それぞれメリット・デメリットがあるので、ハウスメーカーに確認したほうがよいでしょう。
また、断熱性が高いと、夏は涼しく冬は暖かいだけではなく、省エネにつながり、光熱費の節約にもなります。ただし、気密性が低いと快適な室温が保たれなくなってしまい、十分な効果が発揮されないので、必ずセットで考えたほうがよい機能です。
防音と気密性の関係
生活しているなかで、不満を抱きやすいことのひとつが、騒音問題ではないでしょうか。最近はテレワークの普及により、以前より生活音が気になる人も増えてきています。
気密性の高い住宅は、隙間をなくすことで、外からの空気の出入りが少なくなります。そのため、室外からの音が入りにくく、同時に室内の音も漏れにくくなるのが特徴です。
どのような音が騒音と感じるかは、人それぞれです。ご近所とのトラブルを回避するためにも、防音効果のある、高気密性住宅の需要は高まってきています。
気密性が重要な理由
気密性を高めることで、防音のほかにも断熱性がアップするメリットがあります。断熱性が高い住宅は、室内の温度が一定に保たれやすくなるので、省エネにも効果的です。
それでは、気密性を高めることで防止できる4つの効果について、ご説明しましょう。
断熱性能の低下を防止するため
高断熱性であれば屋内の温度変化がおきにくいため、健康面や省エネ面でのメリットが多くあります。
玄関や窓などの開口部から、熱は活発に出入りします。国土交通省のHPによると、夏に外から入ってくる熱い空気は73%、冬は58%の熱い空気が外に出ていってしまいます。そのため、断熱性能を上げるには、開口部の気密性を高める工夫をしなくてはなりません。
近年では、夏季の気温上昇にともなって、毎年熱中症患者が増加しています。屋内での大きな温度変化は、ときに健康面に重大な影響をもたらすおそれがあるでしょう。
また、断熱性の低い住宅で起こりがちなデメリットとして、夏季・冬季の光熱費が高額になりやすい点が挙げられます。長期的に暮らしていくうえで見過ごすことのできないこうした懸念点へ、高い断熱性の実現は重要な対策のひとつとなるでしょう。
温度のムラをなくすため
室内の空気は、自動的に入れ替わります。そのため、断熱性能が低い住宅では、冬に室内の暖かい空気が外に漏れ出てしまいます。逆に夏では、屋外から熱や湿気が涼しい部屋の中に入り込んできてしまい、室温が一定に保たれにくくなってしまうのです。
その気温の差による人体的な影響は、ヒートショックによっておこる、血圧上昇による深刻な状態になることもあるので注意が必要です。
断熱性の低い家では、暖房部屋と非暖房部屋(トイレなど)の温度差が9.2度に対し、断熱性の高い家では、4.5度と約5度も差があります。
健康面においても、適切な換気と室温がコントロールできるように、気密性を高めることが重要になってきます。
結露やカビを抑制するため
住宅の悩みのひとつが、冬場の結露ではないでしょうか。これは外と内との温度差が大きいことと、湿度が高いときに起こる現象です。この結露は、カビやダニの大きな発生原因となります。
結露を放置したままにすると、発生したカビによるアレルギー疾患など、重篤な健康被害が懸念されます。気密性の低い住宅では湿度の調整も難しくなりがちであることから、こうしたトラブルも起こりやすいでしょう。
また、結露は人体に悪影響を与えるだけではなく、サッシや周りの壁などが傷む原因にもなります。長期的には、住宅の劣化を早めることにもつながるでしょう。そのような現象を防止するためには、気密性と断熱性を高めることが必要です。
汚染物質の侵入を防ぐため
気密性は、隙間が少ないほど高くなります。隙間が多く気密性の低い住宅の場合は、空気や熱だけではなく、害虫が出入りしやくなることや、空気とともに花粉やPM2.5などの汚染物質が室内に入ってきてしまうでしょう。
空気は主に、窓やドアから出入りします。こうした開口部の隙間が少なければ、空気とともに汚染物質が室内へ流れ込むことも少なくなるでしょう。
また、適切な換気機能によって空気を循環することにより、きれいな空気を室内に入れ、汚れた空気は外に出すことができます。この換気には、大前提として、高い気密性が保たれていることが重要となります。
気密性が高いメリット
気密性が高いことによるメリットは、防音と断熱効果が高く、ヒートショック防止にも効果が高いという点でしょう。
それぞれの効果について説明していきます。
防音性能に優れている
高性能住宅は、隙間を少なくすることで気密性が高まり、それにともなって防音効果を高める効果があります。そのため、室外からの車や雨の音などが気になりにくい、心地よい環境づくりに役立ちます。
また、室内の音が外に漏れる心配もないため、友人や親戚を招いてのホームパーティーや楽器演奏も気兼ねなくできるでしょう。
たとえば、上の階や隣の部屋から響く声や音が気になる経験をした方も少なくないのではないでしょうか。音は、窓などから入ってくる場合もあれば、建物の壁などからも伝わってきます。
自分では騒音と思っていなくても、他人の受け取り方が異なることがあります。ご近所の方とのトラブルを回避するためにも、防音性、すなわち気密性の高い住宅は、需要が増えてきています。
断熱効果を高められる
経済産業省によると、国内において、家庭内のエネルギーのうち約30%が暖冷房の消費です。断熱性と気密性が高い住宅では、室温が一定に保たれるため、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごすことができます。
エアコンなどの冷暖房器具の消費が抑えられるため、省エネにも効果的であり、経済面でのメリットが大きく感じられるでしょう。
ほかにも、有害物質の侵入を防ぐことでアレルギー症状の緩和にも役立ち、健康面でも大きな効果が出ています。さらには、結露による壁材などの劣化防止にもなります。
ヒートショックを防げる
急激な温度変化は、血圧や心臓、脳に大きな負担がかかるヒートショックを起こす要因になります。冬の寒い時期、リビングなど暖かい部屋から、浴室やトイレなどの暖房がない場所へ移動した際によく起こる現象です。
日本の住宅では、日の当たらない場所に浴室やトイレなどが配置されている傾向にあります。とくに冬場は、暖房が設置されている場所とそうでない場所との間で、部屋ごとの温度差が激しくなってしまうのです。
また、起床時は暖房器具をつけていないことが多いので、室温が低くなっており、それにより血圧が上昇してしまうこともあります。そのような温度差によって起こる事故を防ぐためにも、室内の温度を一定に保つことが必要になってきます。
気密性が高いデメリット
気密性が高いことのメリットは、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせるよう、室温が一定に保たれることです。省エネ対策にも有効的ですが、有害物質が入りにくいため、健康面でもプラスになることが挙げられます。
その一方で、施工方法を間違えると内部結露が起こりやすくなり、建物自体の劣化を早めることになります。断熱材の取り付け方を誤ると、壁の中に湿気が溜まって結露が発生しやすいため、注意が必要です。
カビが発生しやすくなる
冬場は室内外の温度差が大きく、湿度も高くなります。そのような状況では、結露がおこりやすくなり、カビやダニが発生してしまいます。さらに掃除をする手間が増え、家事の負担が大きくなってしまうでしょう。
家の中で気温が低いところを作らないようにするためには、気密性と断熱性を同時に高めるほか、適切な換気機能が必要です。
2003年の建築基準法改正により、24時間換気システムの導入が義務付けられました。これにより、1時間で半分の空気が入れ替えられることになります。気密性と断熱性を高める以外にも、換気によって、結露の発生をおさえることができるようになりました。
ドアや窓の開閉時に重く感じる
気密性が高い住宅では、給気と換気のバランスも重要となります。換気扇をかけることによって出ていく空気に対して、給気が追い付いていないと、室内の気圧低下が発生します。
この気圧低下によって、外気が室内へ入り込もうと、ドアや窓の開閉時に重く感じることがあります。これを負圧と呼びます。その場合は、換気扇を弱くする、または給気口を開けるなどすれば解消するでしょう。
反響音が発生することがある
気密性の高い住宅は、隙間をなるべくなくした構造にしているため、防音効果が高くなる構造です。そのため、室内の音も外に漏れづらくなる影響により、音が反響しやすくなってしまいます。
そのような反響は空気の振動によって起こり、壁などに音がぶつかって跳ね返ってきたものは、カーテンやソファーなどに吸収されます。そのため、吸収性のある布系の家具類を置くことにより、軽減されるでしょう。
防音効果の高い家にするには
最近はテレワークの普及により、家の中で仕事をする人が増えてきました。昼間に自宅にいることで、夜間とは異なった、さまざまな音が気になってしまう人も多いのではないでしょうか。
また、ご近所との騒音トラブルを避けることも大事なことです。しかし、子どもの声や、ペットの鳴き声などに気を遣うことは、精神的な負担が大きいと感じる方も少なくありません。
人や状況よって、気になる音は異なります。ご近所の方にとっても快適で暮らしやすい環境になるような工夫は、巡り巡ってご自身の生活の心地よさにもつながります。そのために、高性能住宅は大きな役割を果たしてくれるのではないでしょうか。
外からの音を遮断し、中の音を漏らさないようにするには、どのようにすればよいのでしょう。ここからは、防音効果を高める工夫について、お伝えしていきます。
防音性の高い素材を採用する
生活音を始め、あらゆる音を軽減させる防音性の高い素材を使用することで、騒音をシャッドダウンできます。ただ、防音効果を高めるといっても、その目的によって適した材は異なります。ここでは、3つの防音材についてご紹介します。
まずひとつ目は、反響音を軽減させるのに有効な「吸音材」です。音を熱に変換させることで、音の響きを減衰させる働きをします。
2つ目は、音を遮る効果のある「遮音材」で、室内の音を外に出さないように防音するための素材です。
3つ目は、冷蔵庫や洗濯機など、振動する機械音の衝撃を吸収する「防振材」です。ほかにも二重窓の設置のあるなしや、ガラスの厚さによっても防音効果が左右されます。
間取りを工夫する
防音効果が高いと、外からの音を入れず、内からの音を外に出さないようにする効果があります。ただし、家族間での騒音トラブルを防止するには、家の間取りを工夫する必要があるでしょう。
ほかにも、部屋と部屋の間にクローゼットを配置するのも効果的です。また、静かに過ごしたい部屋とキッチンや浴室、トイレを離すとよいでしょう。二階建て以上の場合、上の階の足音が気にならないように、階下の間取りの工夫が必要です。
また、生活リズムを考慮したうえでの導線についても検討するとよいでしょう。たとえば、洗濯物をベランダから取り込んだ場合を想像してください。
クローゼットへ収納しに行くまでに、子ども部屋やリビングなど、いくつも部屋を経由しなければならない構造だとしたら、ほかの家族が勉強や仕事に集中できないおそれがあります。また、家事動線の悪さが毎日の負担になってしまうのではないでしょうか。
防音に効果的なのは、音のする場所を遮るような部屋の配置にする工夫が効果的です。
二重構造にする
防音効果だけではなく、断熱効果も高くするには、二重サッシや複層ガラスにしたほうがよいでしょう。
二重サッシは、外側の窓と内側の窓の間に空気層がある構造になっていて、騒音が気になる場合に効果的です。複層ガラスは、ひとつのサッシに対してガラスが二重になっている構造になっており、それぞれまったく異なるものです。
窓の大きさと位置にこだわる
大きな窓は開放感がありますが、その分日差しが入りこみ、断熱性が低くなります。また、音は壁よりも窓から入ってきます。開け閉めするために隙間があるので、防音性は低くなってしまうでしょう。
ご近所と窓の位置を離すことで、空気の振動からの防音対策にも効果的です。なお、開けることができないFIX窓は、防音性・気密性が最も高い窓といえるでしょう。窓をどの位置にするかは、家具の大きさや配置したい場所によって考慮する必要があります。
畳で遮音性を高める
畳のイ草の繊維に含まれている空気は、音を吸収する効果があります。畳を敷いた部屋とフローリングの部屋とでは、階下に響く音が異なります。ただし、厚さが薄い畳では効果がないため、住宅の専門家と相談のうえで導入を検討すると安心でしょう。
さらに、畳には抗菌効果や湿度を調整する効果もあるので、畳のある部屋を作ることも検討してみてください。
まとめ
四季のある日本では、季節によって自然環境が異なります。住んでいる地域によっても違いがあるなかで、快適な住まいづくりは容易ではありません。
まきび住建の『空間デザイン住宅ソライエ』は、一級建築士事務所と工務店の実績を活かした住まいづくりを目指しています。そのためには、施工時だけではなく、最終検査時にも入念な気密検査が必要です。
私たちは、暮らしの可能性を広げ、自由な発想でデザインされたお気に入りの空間を手の届く価格で提供したいと考えています。また、長期間メンテナンスフリーとなる家づくりを目指しています。
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確かな技術と数値に裏付けされた高性能な住まいづくりについて、ぜひお気軽にご相談ください。