住まいは、日々の暮らしを豊かに彩る大切な空間です。
注文住宅を建てる際、間取りや内装はもちろん、どのような設備を導入するかも慎重に考えることが重要です。家事の負担を軽減する設備や地球環境にやさしい設備など、理想の住まいを実現するための選択肢は多岐にわたります。
今回は、注文住宅におけるおすすめの設備に焦点を当て、暮らしをより便利で快適にできる設備を紹介します。費用対効果を重視し、快適で環境に優しい住まいづくりの参考にしてください。
目次
注文住宅で選ぶべき設備とは
快適な居住空間を実現するために、注文住宅の設備選びは重要です。
費用対効果の高さや快適さ、環境に配慮した省エネ設備など、バランスよく選ぶことがポイントです。一方で、法令によって設置が義務付けられている設備もあるので注意しましょう。
費用対効果が高い設備を選ぶ
暮らしに必要な設備を選ぶ際には、費用対効果を考慮することが重要です。たとえば、省エネ設備の導入によって、長期的な光熱費の削減が期待できるなど、長い目で見たときの価値も考えるとよいでしょう。
必要な機能を備えつつ、予算内で選ぶことで、経済的なバランスを保ちながら充実した生活を送ることが可能です。
設置が義務付けられている設備もある
一部の設備は、法令によって設置が義務付けられています。具体的には、住宅用火災報知器や機械換気設備の設置などが該当します。
義務化されている設備を適切に設置することで、家族の安全を守るための基本的な対策が整います。法律に基づいた設置を求められる場合には、適切な設備を取り入れることを忘れずに検討しましょう。
キッチン
ここでは、キッチンでおすすめの設備を紹介します。
キッチンは家族のコミュニケーションの場です。快適な設備は、手軽に美味しい料理を作れるだけでなく、生活全般の快適性を提供します。
ビルトイン食洗機
ビルトイン食洗機は、食後の食器洗いを効率的に行えるため、毎日の家事負担が軽減できます。
高い洗浄力を持ちながら、水や洗剤の節約にも貢献し、忙しい日々でも効率的な生活を実現する優れた設備です。食器洗いの手間を軽減するだけでなく、家族の時間や食後にゆとりの時間ができるでしょう。
また、食洗機にはビルトイン型と据え置き型の2つのタイプがあります。ビルトイン食洗機はキッチンのデザインに統一感を持たせ、作業スペースを広く確保できるメリットがあります。
キッチンの美観を損なわず、シームレスに調和します。一方、据え置き型はあとから設置するため、作業スペースが狭くなる可能性があります。
ビルトインオーブンレンジ
多彩な料理を楽しむためには、ビルトインオーブンレンジが便利です。オーブンとレンジの2つの機能を併せ持ち、料理のバリエーションを広げるのに役立ちます。
また、ビルトインオーブンレンジは、日本製と海外製があります。日本製のビルトインオーブンレンジは、ガスと電気の両タイプがあり、好みに合わせて選べるでしょう。
一方、海外製は一般的に200Vの電気タイプが多く、どのメーカーでも下部にセットしたり、高さを調整して取り付けたりすることが可能です。
日本製と海外製、それぞれメリットとデメリットがあるため、ニーズに合わせて選びましょう。
アルカリ整水器
アルカリ整水器は、料理や飲料にも利用でき、水の質を気にせず料理づくりが楽しめます。
アルカリイオン整水器は、水を電気分解してアルカリイオン水と酸性イオン水を生成する装置です。アルカリイオン水はpH9〜10であり、ミネラルや水素を豊富に含んでいます。
アルカリ水は、軽度の胃腸症状改善や美容に役立つとされており、健康的な生活をサポートできるでしょう。
トイレ・バスルーム
ここでは、トイレ・バスルームでおすすめの設備を紹介します。
トイレとバスルームは、リラックスや清潔さを求める場所です。掃除のしやすさや家事効率が向上する設備を検討しましょう。
メンテナンスフリートイレ
快適で清潔なトイレ環境を保つためには、メンテナンスフリートイレの設置がおすすめです。自動洗浄や除菌機能によって、面倒な清掃作業を軽減できます。忙しい日々でも、水回りを清潔な状態に保てるでしょう。
とくに近年では、タンクレストイレが注目を集めています。タンクがないため、従来のトイレに比べて、便器の後ろ側の掃除や便器表面の拭き掃除が容易です。スッキリとした印象を生み出し、清潔感ある空間を演出できます。
浴室換気乾燥機
浴室換気乾燥機には換気、暖房、乾燥、涼風の4つの機能が基本として備わっています。冬は暖房として、夏は扇風機代わりとして使用でき、かつ乾燥機能も付いているため、雨の日の洗濯乾燥にも活躍する優れた設備です。
たとえば、お風呂のあとに洗濯物を干して稼働させれば、翌朝には洗濯物がしっかり乾燥しています。さらに乾燥機能を活用すれば、お風呂の湿気によるカビの発生も予防できるでしょう。雨の日や湿度の高い日でも、洗濯物の管理が容易になり、家事の負担を軽減します。
また、冬場は暖房機能を使って浴室をあらかじめ暖めることで、ヒートショックを防ぐことが可能です。急激な温度変化によるヒートショックは、適切な温度と湿度を保つことで、そのリスクを軽減できます。
ガス衣類乾燥機
洗濯物を効率的に乾かすために、ガス衣類乾燥機が便利です。ガス乾燥機は、ガスを利用して濡れた衣類などを迅速に乾燥させる機械です。
具体的には、タオルやシーツなどの厚手の衣類もふんわりと仕上げられます。ほかにも、雨の日や夜間、台風の時期や花粉の時期など、洗濯物をガス衣類乾燥機で乾かすことで、生乾きの匂いを気にせずに、いつも清潔な衣類を使用できるでしょう。
室内
ここでは、室内でおすすめの設備を紹介します。
室内の設備は、日常の使い勝手や生活の質を左右します。効率的な収納と整理整頓を促進する設備を選ぶことで、快適な居住空間を築けるでしょう。
電動昇降戸棚
収納スペースの有効活用を考える際に、電動昇降戸棚を検討してみてはいかがでしょうか。
通常の吊り戸棚では、上の段に収納されたものを取り出すためには、踏み台などが必要です。しかし、電動昇降戸棚では、棚がスイッチひとつで上下に移動するため、目の前まで棚を下ろせます。
高い位置にあるものでも手軽に取り出せるため、身体の不自由な方やお年寄りにとっても便利です。また、高い位置にあるものを楽々と取り出せるだけでなく、使わない間はスッキリとした空間を確保できます。
キッチンやリビングなどで目立つ場所に設置しても、インテリアの美しさを損なわずに収納効率を高められるでしょう。
クローゼット
整理整頓を重視するなら、クローゼットの設備も見逃せません。
衣類や小物を収納できるクローゼットは、室内の美しさと快適さを保つのに役立ちます。可動棚や引き出し、専用仕切り、フック、ハンガーレールなどの要素を組み合わせることで、スッキリとした室内を実現し、クローゼットの使い勝手を向上できます。
冷暖房
ここでは、冷暖房でおすすめの設備を紹介します。
冷暖房設備は、快適な生活を実現するために欠かせません。適切な設備を組み合わせることで、年間を通じて快適な温度と室内環境を維持できます。
床暖房
床からの温かさを感じる床暖房は、寒い季節でも足元から快適な暖かさを提供します。床面全体が均一に暖かくなるため、部屋全体の温度を安定させる効果があります。
家族がくつろぐ場所や子どもが遊ぶスペースなどで、とくに快適さを実感できるでしょう。
全館空調
全館空調システムは、家全体の室内温度や湿度を自動的に調整し、部屋ごとの温度差を減少させ、快適な室内環境を保つのに効果的です。
ひとつの設備で異なる部屋の温度管理が可能で、季節ごとの変動に対応できます。たとえば、寒い冬の日でも家の中のどの場所でも暖かさを感じられるでしょう。
また、全館空調システムは、効率的な温度制御を行うため、エネルギーの無駄を減少できます。必要な場所だけを冷暖房する場合と比較して、家全体を調整することでエネルギー効率も向上できます。
24時間換気システム
24時間換気システムは、建築基準法によりすべての住宅に設置が義務付けられている設備です。常に新鮮な空気を室内に供給するため、室内の空気が滞留することなく、化学物質やダスト、花粉などの汚染物質を排出できます。
また、湿気がこもることなく室内の空気が循環するため、室内の湿度が適切に保たれます。結露やカビの発生を抑制し、壁や家具の劣化を防げるでしょう。
玄関・外観
ここでは、玄関・外観でおすすめの設備を紹介します。
玄関と外観は、訪れる人に最初の印象を与える場所です。適切な設備を設置することで、セキュリティや快適さを向上させ、安全で便利な生活を実現できます。
スマートロック
スマートロックは、スマートフォンやリモコンを使って施錠・解錠が可能であり、鍵を取り出す手間を減らせます。
荷物が多い時や子どもを抱っこしているとき、カバンの中から鍵を探すのは一苦労です。手がふさがっているときでも、鍵を使わずに開け閉めができるため、利便性が高いでしょう。
また、鍵の紛失や忘れたことによるトラブルも防げます。また、一時的な鍵の共有や遠隔操作もできるため、出入りの管理が簡単になります。
宅配ボックス
オンラインショッピングの増加に伴い、特に共働きや忙しい家庭にとって、宅配ボックスは非常に便利な設備です。仕事や外出中に届く宅配物を受け取れるため、再配達の手間や不在時の心配がなくなります。家族全員のスケジュールに関係なく、荷物を受け取れるでしょう。
人感センサーライト
人感センサーライトは、人の接近に反応して自動的に点灯し、暗闇のなかでの移動をサポートします。玄関や廊下などに設置することで、電源を入れる手間の削減はもちろん、節電効果も期待できるでしょう。
また、センサーが反応することで、駐車場や庭などの不審者対策として警戒を促す役割も持ちます。
省エネ設備
ここでは、省エネ設備でおすすめの設備を紹介します。
省エネ設備は、環境への配慮と経済的なメリットがあります。太陽光発電やエコキュート、ペアガラスなどの導入によって、持続可能な生活スタイルを実現しましょう。
太陽光発電
太陽光発電は太陽の光を利用して、電力を生み出す発電方法です。屋根や外壁に太陽光パネルを設置することで、自宅で電力を生み出せます。
自家発電した電力を利用し、家庭の電気代を削減できるでしょう。また、余った電力を売電することで、電気代を相殺したり、収益を得られたりします。
東京都や一部の地域では、2025年から太陽光発電システムの導入が義務化される予定です。今後の家づくりを考える際には、環境確保の観点や電気代の削減などを考慮して検討しましょう。
エコキュート
エコキュートは電気を使って、お湯を効率的に沸かす給湯機です。空気中に含まれる熱を取り込んで利用するため、従来のガス給湯器に比べて省エネ性が高く、電気の使用量を抑えつつ、効率的なお湯の供給が可能です。
また、太陽光発電と連携できるエコキュートも発売されており、組み合わせることで、固定価格買取制度の買取期間が終了しても余剰電力を活用できるでしょう。
ペアガラス
ペアガラスは、窓の断熱性と遮熱性を飛躍的に向上させ、室内環境をより快適にする設備です。たとえば、ペアガラスはその断熱性によって、冬場に大きな効果を発揮します。
窓の内側と外側のガラスの間に封入された空気層は、室内の暖かい空気を逃がしにくくし、外部の冷気を室内に侵入させません。このため、暖房効果が向上し、室内温度を安定させられます。
また、二重のガラス構造によって窓の強度を高めるため、防犯性を向上させる効果も期待できます。
まとめ
住宅の設備は、快適な居住環境を構築するために重要な要素です。
キッチン設備では、忙しい日々をサポートするビルトイン食洗機や多彩な料理を楽しむビルトインオーブンレンジがあります。冷暖房設備は、寒い季節でも床暖房の暖かさや全館空調の快適さを実感できます。
ライフスタイルに合わせた設備を組み合わせ、理想の暮らしを手に入れましょう。