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家づくりの知識
2022.12.26

気密性が悪いとどうなる?気密を改善するポイントも紹介!

気密性が悪いとどうなる?気密を改善するポイントも紹介!

「気密性」という言葉をご存じでしょうか。戸建て住宅の購入を検討されている方であれば、一度は耳にしたことがあるはずです。

気密性は家の隙間の少なさを表し、どれだけ快適に過ごせるかの指標となります。断熱性や光熱費に関わる重要な要素です。

この記事では、気密性が悪いことで発生するデメリットと、気密性を改善するポイントを解説します。

マイホームの購入で失敗しないために、ぜひ参考にしてください。

住宅の「気密性」とは?

気密性とは、家がどれだけ密閉されているか、隙間をなくして室内外の空気の出入りをどれだけ少なくしているかを指す言葉です。気密性が高いほど隙間は少なくなり、断熱性が高くなります。耐震性、省エネ性などと合わせて、高性能住宅を構成する一要素です。

 

気密性が高くなると、季節を問わず室外の気温の影響を受けにくくなるため、冷暖房の効きがよくなります。逆に気密性が悪く、室内外の空気の出入りが多いと、せっかく冷暖房で調節した室温が外へ流れ出てしまい、設定温度をさらに上げる(下げる)ことになり、光熱費が高くなってしまうのです。

 

また、気密性の低さは、花粉、黄砂、PM2.5といったアレルギー症状を引き起こす物質を家の中に取り込んでしまう原因にもなります。

 

「現代の建築物であれば、どれも密閉されているのでは?」と思う人も多いかもしれません。しかし実際は、施工方法や使用する建材によってどうしても隙間が生まれてしまいます。

気密性を向上させるには、適切な住宅設計に基づいて、寸法に誤差のない建材を使用し、気密テープ・シートによる密閉加工が必要です。

とくに寸法誤差の少ない建材に関しては高い建築技術を必要とするため、通常の建材よりも値段が高くなる、施工に時間がかかるといった傾向があります。

しかし、かけたコストに見合ったリターンとして、気密性の高さによる断熱性・省エネ性を得られるため、マイホーム購入時には重視すべきポイントといえるでしょう。

気密性が悪いときのデメリット

気密性が悪いと、以下3つのデメリットが発生します。

・光熱費が高くなる

・夏が暑く、冬は寒くなる

・自宅が傷みやすい

なぜこのような問題が起こるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。

光熱費が高くなる

一人暮らしや同棲、家庭を持って初めて実感するのが、エアコンを多用する夏と冬の光熱費の高さです。設定温度をできるだけ高く(低く)して乗り越えようとしても、我慢しきれずに結局光熱費がかさむケースは多いです。

 

気密性が低いと、エアコンで調整された室内の空気が、外の空気とすぐに入れ替わってしまい、効きが悪くなります。すると、長時間にわたってエアコンをつけっぱなしにしてしまう、設定温度を高く(低く)設定せざるを得ない、などの状態が普通となってしまい、光熱費が高くなるのです。

 

経済産業省の資源エネルギー庁も、のなかで「省エネルギー住宅を実現するためには、断熱、日射遮蔽、気密の3つが対策の柱となります。」と言及していて、気密性が省エネを実現するために、どれほど重要な要素なのかがわかります。

夏が暑く、冬は寒くなる

日本は季節によって大きく気温が変動します。気象庁の観測記録によると、2021年の東京の平均気温は1月が5.4℃、8月が27.4℃と、22℃も温度差がある状態です。

 

住環境によっては、冷暖房器具が欠かせないこともあるでしょう。

先述の通り、気密性が低いと、外の空気が室内に流れ込みやすくなるため、夏は暑く、冬は寒いという住みにくい住環境になってしまいます。

また、気密性の低さは、家の1階と2階で大きな温度差を生んでしまう点にも注意が必要です。暖気は上へ、寒気は下へ移動する性質があるため、夏は1階が涼しく2階が暑くなり、冬は1階が寒く、2階は暖かいというムラのある状態になります。

同じ家でこのような温度差があると体調不良の原因にもなります。また家のなかでの温度差はヒートショックの原因にもなるため、家族の健康を守るためにも気密性を高め、室内の温度差は少なくしておきたいものです。

自宅が傷みやすい

住宅が傷んでしまう原因の1つに、結露の発生が挙げられます。

 

気密性が低く、家に隙間が多いと、湿気のある空気が壁の中へ出入りして結露を起こしやすいでのす。夏は湿った空気が外から入り込み、冬場は室内の湿った空気が壁の中へ入り込んでしまいます。繰り返し結露が発生すると、家の壁や断熱材、木材にカビが繁殖し劣化を早めるため、注意が必要です。

 

家の倒壊リスクを高めるシロアリの増殖や、アレルギー症状のもとになるカビの繁殖を誘発してしまうため、マイホームを建てる際は、建設会社に気密性に関する相談をしておきましょう。

気密を考えるときは換気と断熱がポイント

気密性を高めるだけでは、住環境を快適に整えることはできません。気密性のほか、断熱性と換気システムも重要なポイントです。

 

気密性が高まると空気の流れが少なくなり、汚れた空気が溜まりやすくなります。生活臭、部屋干し臭が残るだけでなく、カビやダニ、建材から発生する化学物質など、健康に害を及ぼす可能性のあるものを体に取り込んでしまうのです。だからこそ換気が重要になります。

気密性が低い方が空気の流れができて効果的なのではないかと思うかもしれませんが、気密性が高いほど換気効率は上昇します。

 

換気をする際は給気口から排気口まで、対角線上に空気の流れ道を作ってあげるのが効果的です。気密性が悪いと空気が漏れ出ているため、空気の入れ替えが充分にできません。

 

断熱とは、文字通り熱伝導を遮るという意味です。外気温の影響を受けにくくすることで、居住環境を快適に保てます。熱には、温度の高いところから低い方へ移動するという性質があり、この熱の移動を遮る役割を持つのが断熱材です。

 

気密性を高めて空気の流れを抑えても、熱の移動を抑えられなければ効果は薄まります。とくに冬場は暖房で暖めた室内の熱が外へ逃げてしまいます。断熱材にこだわるとコストがかかりますが、年間を通して、外気温の影響を受けにくいという大きなリターンを得られるため、こだわりたいポイントです。

まとめ

家の隙間の少なさを指す気密性は、住環境を快適にするにあたって、非常に重要な要素です。

気密性が低いと

・光熱費が高くなる

・外気温の影響を受けやすくなり、夏場は暑さに、冬場は寒さに悩まされる

・家が傷みやすくなる

などのデメリットが発生します。

住まいの快適性、環境が変われば生活の質やライフスタイルにまで影響が及びます。気密性や断熱性、換気について理解を深め、快適な住まいづくりを行いましょう。

 

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