COLUMN コラム
Soraie一級建築士コラム
耐震等級3の家づくり|設計と現場検査が大切な理由
2026.02.26
Soraie一級建築士コラム|Vol.9
昔とは変わった工務店の家づくり①
こんにちは。空間デザイン住宅Soraieの一級建築士、小野です。
家を建てるなら、できるだけ地震に強く、安心して暮らせる家にしたい。
住宅会社を比較するときに、「耐震等級3」を一つの基準にされている方もいらっしゃると思います。Soraieでも、耐震等級3を設計の条件にしています。
そのうえで、私が大切だと考えているのは、設計で考えた性能を、実際に建つ家へきちんとつなげることです。
そのためには、良い計画をつくるだけでなく、計画どおりに施工し、その施工を確認することが欠かせません。
今回は、私が工務店で家づくりに携わるようになってから大きく変わったと感じる、「現場監査・現場検査」のお話をしたいと思います。

目次
耐震等級3とは?まず知っておきたい基本
新築住宅の住宅性能表示制度では、地震に対する構造躯体の強さを、耐震等級1〜3で表します。
そのうち、耐震等級3は最も高い等級です。
「構造躯体の倒壊等防止」については、等級1の基準となる地震による力の1.5倍に対して、倒壊・崩壊しない程度の性能を示します。ただし、あらゆる地震に対して無被害を保証するという意味ではありません。
また、住宅性能評価には、設計図書を審査する「設計住宅性能評価」と、施工段階・完成段階の検査を行う「建設住宅性能評価」があります。
ですから、家づくりを検討するときには、等級の数字とあわせて、
「どのように設計を確認しているのか」
「現場では、どのように施工を確認しているのか」
まで聞いてみてほしいと思います。

職人さんへの信頼は、今も家づくりの土台です
私が建築士として工務店に入ったのは、25年ほど前です。
先代の頃から、私たちの家づくりは、大工の棟梁をはじめ、水道屋さん、電気屋さん、左官さん、建具屋さんなど、たくさんの職人さんに支えられてきました。
その頃を振り返ると、お客様に安心をお伝えするときには、
「長く一緒に仕事をしている棟梁が、一生懸命つくります」
「うちの職人さんはベテラン揃いです」
という、職人さんへの信頼が大きな根拠になっていたと思います。
もちろん、今でも熟練した職人さんの技術や、良い家にしようと頑張ってくださる姿勢は、本当に大切です。
ここを、仕組みだけで置き換えられるとは思っていません。
ただ、どれだけ経験のある職人さんでも、人がつくる以上、間違いが起こる可能性はあります。
だから私は、職人さんを信頼することと、施工されたものを確認することは、どちらも必要だと考えています。
職人さんに任せきりにするのではなく、良い仕事をしてもらい、それをきちんと確認する。
人の技術と、確認する仕組み。その両方で、家づくりを支えていきたいと思っています。

現場検査は「現場を見に行くこと」だけではありません
私たちが「現場監査」と呼んでいるのは、工程ごとに確認する項目を決め、図面や施工基準と照らし合わせる品質確認です。
ただ現場に行って、
「順調に進んでいるな」
「特に問題はなさそうだな」
と見て回るだけでは、十分とはいえません。
例えば、基礎の配筋を確認する場面なら、建物の配置が計画と合っているか、鉄筋が図面どおりに配置されているか、鉄筋を覆うコンクリートの厚さが適切に確保できる状態か、といった点を確認します。
元になる図面と、目の前の施工を、一つずつ照らし合わせるわけです。
何を見るのかを先に決めておく。確認した結果を、写真とともに残す。
「見たつもり」「大丈夫だと思った」で終わらせないために、この手順が大切だと考えています。

Soraieでは、自社の現場監督が8工程で監査・記録します
Soraieでは、家づくりの過程を全8工程に分けて監査項目を設定し、自社の現場監督がチェックと写真による記録を行っています。
完成した家では、壁や床の中に隠れて見えなくなる部分があります。だからこそ、見える段階で確認しておかなければなりません。
ここでお伝えしておきたいのは、この8工程の監査は、自社で行う品質確認だということです。住宅瑕疵担保責任保険などに伴う、第三者による検査とは分けて考えています。
Soraieでは、住宅あんしん保証による瑕疵保険の現場検査を受けています。基礎配筋検査・上部躯体検査に加えて、オプションの「追加防水検査」も受けています。
追加防水検査は、外壁の防水下地ができあがり、仕上げ材で隠れる前の段階で行う検査です。防水紙の重ね方や、窓まわり・配管が外壁を通る部分の防水処理などを確認してもらいます。
地震への備えだけでなく、雨水の浸入を防ぐための施工も、見えなくなる前に確認しておきたい。そう考えています。
第三者による検査と、自社の現場監督による8工程の監査・記録。どちらか一方に任せるのではなく、それぞれの役割を生かして、施工の確認を重ねていきます。
大切なのは、検査の回数の多さを競うことではありません。
誰が、いつ、何を確認し、どのように記録しているか。
住宅会社を比較するときにも、そこまで見ていただくと、家づくりの違いが分かりやすくなると思います。

ただし、現場監査には「基準となる図面」が必要です
ここまで読むと、
「では、現場をしっかり確認していれば大丈夫ですね」
と思われるかもしれません。
でも、その前に、もう一つ大切なことがあります。
確認の基準にしている図面や施工の指示は、適切なものになっているでしょうか。
例えば、図面に間違いがあったとします。
その図面と現場を照らし合わせて、「図面どおりにできています」と確認しても、それだけでは間違いを防げません。
だからこそ、施工を確認する前に、設計の内容も確認する必要があります。
私が大切にしている順番は、
計画する → 図面を確認する → 施工する → 現場を確認し、記録する
という流れです。
そして、確認の途中で改善すべき点が見つかれば、対応し、もう一度確認する。記録を残すこと自体が目的ではなく、良い家につなげることが目的です。
これは、耐震性能だけの話ではありません。断熱や防水についても、同じことがいえると思います。
良い計画と、良い施工。その両方を支える確認の仕組みがあって、設計した性能が実際の住まいにつながっていく。
私は、そのように考えています。

住宅会社に聞いてみてほしい、3つのこと
これから家づくりをされる方には、「耐震等級はいくつですか?」に加えて、次のことも聞いてみてほしいと思います。
- その耐震性能は、どのような計算や評価で確認していますか?
- 工事中は、誰が、どの工程で、何を確認していますか?
- 確認した結果や、必要な修正への対応は、どのように記録していますか?
難しい構造計算を、ご自身ですべて理解する必要はありません。
その住宅会社が何を大切にしていて、どのような仕組みで家をつくっているのか。説明を聞いて、納得できることが大切です。
会社の規模や、職人さんの経験だけで判断するのではなく、「良い家をつくるために、どう考え、どう確認しているか」にも目を向けていただければと思います。

家をつくる人と、見えない部分の話も
Soraieは、営業を置かない家づくりを行っています。
お客様のご要望を建築士が直接伺い、間取りや住まいの計画を一緒に考えています。
だからこそ、耐震や断熱についても、数字をお伝えして終わりにはしたくありません。
「なぜ、その性能を大切にしているのか」
「その性能を、どのようにつくっているのか」
そうしたところまで、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思っています。
きれいな空間や、暮らしやすい間取りは、家づくりの楽しみです。
その楽しみを支える、完成後には見えなくなる部分も大切にする。それが、私たちの考える家づくりです。
次回は、今回の話の出発点になる「設計の内容を、どのように確認していくのか」について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。
空間デザイン住宅Soraie
一級建築士 小野 貴士
一級建築士・小野貴士について
一級建築士コラムを読む
参考情報
住宅性能評価・表示協会|耐震等級と構造の安定
国土交通省|住宅性能表示制度の概要・実施状況
住宅あんしん保証|追加防水検査の内容
岡山で、建築士と家づくりの話をしてみませんか
「耐震性能は大切にしたい。でも、間取りやデザインにもこだわりたい」
そんなところから、ご相談ください。
Soraieでは、一級建築士が家づくりのご相談を承っています。性能のことも、暮らし方のことも、一緒に考えていきましょう。
売る人ではなく、家をつくる人と話す。
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